孟子 無恒産、因無恒心

恒産なければ、因(よ)って恒心なし。 孟子

出典:講談社学術文庫 中国古典名言辞典 諸橋轍次

「恒産」とはちゃんと生活していけるだけの収入や財産のことです。
そして、「恒心」はしっかりとした心という意味ですね。

「衣食足りて礼節を知る」という言葉も有名ですが、
人間、生活に余裕がないと平常心を持つこともできません。

企業においても従業員の待遇というものが、時に会社そのものを揺るがす時もあります。
待遇(特に給与他労働条件)に不満が募ると離職につながりますし、会社に対して恨みが沸き、復讐を試みようとする人がでることもあります。

それ以前に、この人手不足の中では、待遇の悪い求人には人が集まりません。

恒産は人によって、年齢によって、その家族構成によっても違ってきます。
また年功序列が否定されがちな世の中ですが、
長年勤務すれば、待遇がよくなることを期待するのが人情です。

これから未曾有の人手不足の時代に突入します。
これは人口統計的に予測されている事態です。
自動化やAIの登場でも雇用のミスマッチが増大するだけで、
なかなか特定業種の人手不足が解決することは難しいでしょう。
かといって待遇をよくすると利益がでずに企業の存在意義さえも危うくなることも
考えられます。
企業の永続的な存続のためにも、今一度人財について考えるときであると感じます。





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