左伝 寛以待之

(范文子曰く、・・・)寛以って之を待つ。 左伝

出典:講談社学術文庫 中国古典名言辞典 諸橋轍次

范文子は春秋時代の晋の政治家だそうです。別名は士燮。
謙虚な態度を生涯貫き通した事と、楚との和睦に貢献したことから死後に、「范文子」と呼ばれるようになったそうです。「文」は諡(おくりな)、つまり死者へ贈られる敬称なのですね。

「人民を治めるばあいには、寛大をという徳をもって、これを待遇すべきである。」という意味の漢文ですが、これを思い出させる言葉で、リーダーシップ論で最近話題になった「ほうれんそうのおひたし」というものがあります。

「ほうれんそう」は「報告・連絡・相談」のことですね。
それに対して「おひたし」は「怒らない、批判しない、助ける、指示する」という
「ほうれんそう」を受けた上司の心構えについて述べられています。

TwitterでHound (@Hound_7)さんが投稿したもので、大変話題になりましたので
覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

指示待ち社員を作らない仕組み作りの中で、「本人に考えさせる習慣づけが必要」という話をしましたが、これは上司の「おひたし」という考え方がないと、
部下が委縮してしまい上手く機能しない場合があります。

上司に怒られる、批判される、助けてもらえない、指示がないというのは
部下が上司に対して不満を持つ大きな原因となります。
もちろん、怒るべき時には怒り、自主性を高めるためにあえて助け船を出さない、
指示をしないということも時には必要かもしれません。
でも、それも段階を踏む必要がありますし、状況によってはただの責任逃れにしかなりません。

指示待ち社員ではなくて、「指示しない無責任上司」にならないようにすることが
部下を持つ人間が一番最初にすべきことかもしれません。

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