文章軌範 巻舒不隨乎時

巻舒は時に随わず 文章軌範(韓文公「與于襄陽書」)

出典:講談社学術文庫 中国古典名言辞典 諸橋轍次


巻舒は出処進退のことです。
つまり上記は「出処進退は自分の主義によって行動するもので、べつに時勢の如何によって変化するものではない。」という意味のことばです。

子供の好きなアニメに「カーズ」シリーズがあります。
今年上映された「カーズ クロスロード」はまさにこれがテーマのお話でした。

現在、日本企業では60歳に一度定年が来て、65歳まで再雇用されるか、
それとも辞めるかを社員自身が選択するというのが一般的な無期雇用形態ではないでしょうか。
でも企業によっては定年がなかったり、逆に40歳以前に自分の出処進退を決めることが求められるところもあるでしょう。

「時勢の如何によって変化するものではない」というのは現状の雇用状況では難しいように感じます。

90年代以降リストラという名の人員整理が一般的になりました。
これはまさに「時勢」で決まるものです。

今年は人手不足が大きな問題となりましたが、
その反面AIの台頭等により、銀行では大規模な人員整理が発表されたり、10年以内になくなる仕事として多数の仕事が将来を危ぶまれているという状況です。

「時勢」に左右されずに自分で「出処進退」を決められるような人財であるためには、
日々研鑽を繰り返す必要があるのかもしれません。

でもそれ以上に、新しい環境、時代を受け入れる柔軟性が重要なのではないかとも考えます。

いくら自己研鑽を行っても、第4次産業革命と呼ばれる大きな時代の流れのなかでは
突然道が断たれることも多々あるでしょう。
その時にすぐに迂廻路選択できるような人物こそが、生き残れるのでないでしょうか。





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